神奈川を瓦礫から守る会

私たちが反対する根拠 2
<環境省が言うこと、やることを信用できません>

2.ベクレルで考えるべき放射能汚染をシーベルトに置き換え

細野環境相が川崎駅頭などで実演した放射能測定パフォーマンス、箱の中にある被災地の(と称する)がれきにカウンターを近づけて0.05などと読み上げた後、周囲の線量と変わらないから「はい安全です」※1

テレビを通じて全国に放映されたこの場面を見て、空間線量を測れば良いと思った視聴者は多かっただろうと思います。しかし、放射能について学習した私たちはシーベルト (Sv) とベクレル (bq) のちがいが何かを知っています。

簡単に言えば、シーベルトとは、放射線がどれほど空間を飛び交うかを示す量(空間線量)であり、一方、ベクレルは放射能の含有量を知るための値で、サンプルをミンチ状にして測ると考えればわかりやすい。シーベルトで表す空間線量はシンチレーションカウンターなどで簡単に測れますが、仮にサンプルが高濃度汚染されていたとしても、サンプルからの距離が離れるとたちまち値は下がってしまいます。

一方、ベクレルは誰でも簡単に測れるものではないので、市民は測定室※2などへサンプルを持ち込まなければなりません。
しかもシンチレーションなど、一般市民が求めやすいカウンターではγ線しか測れません。
内部被ばくした場合に最も恐ろしいα、β線核種については、調べる事が出来ません。


環境省はγ線のみの線量を示してそれ以外の核種については全くふれることはありません。

環境省の広域処理を要請するための市町村へのパンフレットには次のように記載されています※3
がれき排出(被災地)側の1次仮置場の放射能測定は(放射性濃度:ベクレル測定は2ヶ所のみ、他は空間線量:シーベルト測定で済ませる、サンプルからの距離などの明示はない)、次いで2次仮置場では空間線量のみの測定(同様にサンプリング回数やサンプルからの距離などの明示はない)、搬出後受け入れ側では再生利用、不燃物埋立て、焼却それぞれについて放射能濃度測定となっているが、いずれも月1回のみとなっています。

以上のように、環境省は放射能汚染度を知らせるためには、簡単な空間線量の測定だけですませています。その結果、放射能についての学習をしていない大勢の住民が空間線量を示されて「線量が低いから安全」と思い込み、がれき受入れに賛成していきました※4※5※6
しかし、実際は、関東の汚染地域などの一般ゴミや下水道汚泥焼却灰などから高濃度セシウムが検出されたという話が続出しました(前述)。

これらの事実を知った住民や自治体は、環境省からの熱いメッセージにかかわらず、容易にはイエスと回答できませんでした。
自分が暮らす地域や地元住民の健康と命に責任のある首長としては、当然のことでした。

 


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