神奈川を瓦礫から守る会

私たちが反対する根拠 1
<放射能汚染の脅威>

1. 広域処理に反対か賛成かの分岐点は「低線量内部被ばく」

放射能を学習することによって、私たちは「低線量被ばくによる内部被ばく」をおろそかに考えては取り返しのつかないことになることを知りました。

おそらく、知事や、がれき広域処理を推進する環境省と、私たちの認識に大きな差があるのは「低線量被ばく」についてであろうと思われます。「安全な低レベル放射能」であるにもかかわらず親たちは「放射能に対して過敏・神経質すぎる」と切り捨てにされますが、はたしてそうでしょうか。

知事は100bq(ベクレル)/㎏以下は安全であると断定されましたが、本当に「安全」と言える根拠は何でしょう。
知事は、おそらく「ICRP(国際放射線防護委員会)の基準に則っているので安全」とする政府の基準※1を踏襲しておられるものと推察いたします。

しかし、私たちはこれらの基準を是認することは出来ません。

その理由の1つとして、「ICRPが低線量内部被ばくを過小評価している」との、ECRR(欧州放射線リスク委員会)などからの批判が挙げられます※2
また、ICRPはその構成メンバーからも明らかなように、原発を推進するための委員会であり、「100mSv(シーベルト)以下の低線量被ばくのリスクは極めて小さくほとんど健康に影響がない」としています※3
このような、経済優先の考え方に基づいて政治判断がなされ、人間の生命を最優先に位置づけることを善しとしない彼らの「低線量なら安全」とする考え方に、私たちは同意するわけにはいきません。放射線は、どれほど微量であっても人体に影響を及ぼし「しきい値は存在しない」とする考えが今や国際的にも定説となっています。

日本でもようやく放影研が放射線の健康リスクにしきい値がないことを認めました。
さらに、被爆時年齢が若いほど、健康リスクは増大、癌のみならず循環系、呼吸器系、消化器系の疾患にも及ぶという研究データも発表しています※4
このように、放射性物質に「誰もが安全」とされる基準はありません。

26年前のチェルノブイリの原発事故によって、高濃度汚染さらされた子どもたちのみならず※5、「低線量内部被ばく」によって非常に多くの健康障害があらわれました。
特に注目すべきことは胎児と子どもに発症してくる先天障害、悪性腫瘍、免疫異常などの晩発障害が多いことです※6
また人口変動に関しても、ウクライナとベラルーシでは、死亡者数が激増する一方で出生率は激減していることが明らかにされています※7
バンダシェフスキー博士の忠告「子どもの臓器と臓器系統では、50 bq/kg以上の取りこみによって相当な病的変化が起きている。しかし、10 bq/kg程度の蓄積でも様々な身体系統、特に心筋における代謝異常が起きることが報告されている※8」に耳を傾ける必要があります。

低線量であっても長期間被ばくすれば人体に影響を与える内部被ばくを、私たちはもっと真剣に受け止めなければなりません。
内外の医学関係者がデータを列挙して「二次汚染と内部被ばく」の危険性を指摘し、がれきを全国に拡散すべきでないことを警告しています※9 ※10 ※11

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