神奈川を瓦礫から守る会

私たちが反対する根拠 1
<放射能汚染の脅威>

3.怖いのはセシウムだけではない 他の核種、アスベストや有害物質に環境省は無関心

今回の原発事故により放出された放射性物質はセシウム・ヨウ素・プルトニウムだけではなく、31種にもおよぶ大量かつ高濃度の核種が外部に拡散されました※1

これらの大部分はガイガー計測器での検出は無理な、一般的には検出が困難とされる放射性物質であり、発表されることは稀です。だからといって存在しないということではありません。
原発爆発後まもなく、「プルトニウムは重く飛散しないので、一般市民の健康に影響はない」と言われてきました※2
しかし、9月にやっと発表された文科省の報告では、プルトニウムが原発から少なくとも45km地点(飯舘村)まで飛散したこと、ストロンチウムが少なくとも80km地点(白河市)まで飛散したことが確認されています。

その他のα線・β線核種についての検査は行われていません※1

海洋についても、放射能汚染水から少なくとも462兆ベクレルのストロンチウムが海に放出されたことがわかっています※4。 プルトニウムは半減期が2万4000年で、吸い込むと1gで約50万人を肺ガンにできる超猛毒物質、半永久的になくならない史上最悪の放射性物質です。

ストロンチウムも猛毒で骨に蓄積し半減期が比較的長いため内部被曝による骨腫瘍や白血病の原因となります。そのほか東京でプルトニウム※5や中性子線を、千葉ではウラン235を検出※6というニュースもありました。
豆類に蓄積の恐れも判明しました※7。このように非常に危険な放射性物質ですが、何故かマスメディアなどではとりあげません。
津波により、大量の有害化学物質(鉛・カドミウム・ヒ素・フッ素・シアン化合物・6価クロム・塩分)やアスベストなどが、ヘドロと共に運ばれ陸地に残留している実態が次々に明らかにされています※8※9※10

岩手県大槌町から検出された6価クロム、保管場所から漏れ出したPCB、また陸地のがれきを覆ったヒ素など、数々の事例の詳細については、当会HPをごらん下さい※11

アスベストについては、仙台の家屋解体現場から基準の4500倍の濃度が検出される※12など、焼却による複合汚染の危険性とともに、がれき処理現場の作業員の方々への健康被害も危惧されるところです。
最近も、阪神淡路大震災時にがれきの収集や埋立てに約3ヶ月間携わった明石市職員が、17年後に中皮腫を発症したとのニュースが伝わったばかりです※13
しかし、環境省のマスタープランでは、災害廃棄物は一般廃棄物であると定義し、これらの放射性物質以外の有害物質についても、がれきと共に一般焼却炉での焼却を可能としました※14

本来なら分別処理されるべきものを混在させたまま焼却することが、人間や環境に対してどのような害毒を及ぼすかについては何の配慮もしていません。
木くずに含まれる塩分は降雨による除去を、CCA処理剤(6価クロム・銅・ヒ素を含む防蟻剤)の有無は「目視」により判定した後、焼却を、という大変無責任で危険なものとなっています。

ところで、6月8日に環境省から突然出された「自然木・木くず等の造成地等における活用」では「建設系廃木材から、これらの防腐処理がされていない木材を選別することは容易ではない」ことを理由に挙げ、埋立ては認めないとしています※15

選別が困難なら、なおのこと焼却することも認められないはずなのに、焼却の場合にはCCAは問題とせず。またもや環境省お得意の矛盾を平気で押し通すダブルスタンダードです。

 

追記

7月5日放映のモーニングバードの中で、細野環境相はがれきを防潮堤の埋立材として利用することに難色を示し、その理由として家屋などの木材系がれきはヒ素やクロムを含むため(含有率は明かさず)と強調しました※16

それならば各地の「一般焼却炉」でがれきを燃やすなどは論外!これらの有害物質を計測せずに焼却する方がよほど危険だろうという反発が起こるのは当然です。

設リサイクル基本方針によれば、特に「CCA処理木材については不適切な焼却を行った場合にヒ素を含む有毒ガスが発生するほか、焼却灰に有害物である6価クロムおよびヒ素が含まれることとなる」ので、「分離・分別」が厳しく義務付けられ、「それが困難な場合には焼却または埋立を<適正に>行う」とされています※17

適正に処理しない>場合には、焼却・埋立ともにどのような危険が生じるかをわざわざ図示して説明しており※18、環境省がいうような埋立だけの危険性をいっているのではありません。


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