反対派が搬入阻止
疑問なのは、ここにきて、がれき量が大幅に減少したことに加え、広域処理の必要はなくなったという被災地から声が上がりはじめていますし、宮城県知事は4月23日の記者会見で「広域処理は打ち止め」とまで発言しています※1。
被災地で全面稼働する31基の仮設焼却炉・溶融炉によって処理能力は激増しました。
仙台市は当初より自力で処理を行っていることなどから、期限内に可燃物のがれき処理は十分に可能というところまできています※2。
しかし、環境省はいまだに広域処理を市町村に勧めており、
北九州市では、反対する住民に対し警官まで導入して市長が、がれき焼却を強行し始めていますが※3、はたして搬出側の宮城県石巻市はどのように対処しているのでしょうか。
山元町八重垣神社 植樹祭
宮城県議会では、全員一致で「広域処理は不要」とし「森の防潮堤」の実現に向けて動き始めました※4。
また、細野環境相自身も参加して、岩手県大槌町ではマウンドとしてがれきを使い、その上に植樹まで行っていますし※5、宮城県岩沼市※6・山元町※7でも同様の試みが始まりました。
林野庁も仙台市荒浜にコンクリート材堆積物(土砂)の上に土、クロマツを植える防潮林の計画をすすめています※8 。
がれきを埋立材として利用する場合、「放射性物質や有害物質除去」をどのようにクリアするかという問題がありますが、環境省が「森の防潮堤構想」にブレーキをかけている理由は、法的に「木質材(有機物)を埋立てること」に難色を示している※9とのこと。
細野環境相という同一人物が、がれきを使って防潮堤つくりのパフォーマンスを演じていながら、他方で防潮堤にがれきを使うことに難色を示す。
これらの全てのことが同時に、正反対にベクトルが向いていることについては、誠に不可解としか言いようがありません。
以上のように広域処理不要論が出ているにもかかわらず、受入れを表明する自治体が続いているのは、環境省がエサとしてぶら下げた交付金(次項)によるものと言っても過言ではありません。決して被災地のためではないことは明らかです。